はじめに:ファクタリングの審査に落ちて焦っている経営者様へ
ファクタリングの審査に落ちてしまったとしても、資金調達を完全に諦める必要はありません。
落ちた原因を正しく分析し、対策を講じることで、他社や別の債権で審査を通過できる可能性は十分にあります。
一般的に、ファクタリング審査の通過率は70%程度といわれており、通過率が50%〜60%程度である銀行融資や借入と比較すると、非常に通りやすい資金調達方法です。
融資のように利用者自身の財務状況だけを厳しく問われるわけではなく、審査の基準が全く異なるためです。
しかし、真っ当なサービスを提供しているファクタリング会社であれば必ず審査を実施しており、条件を満たさなければ審査に通らない可能性は当然あります。
たとえば、「取引先の業績が悪化している」「提出書類が足りていない」といった理由で審査に見送られるケースが多く見られます。
これらの原因は、申請する請求書(売掛金)を変更したり、事前に必要書類を完璧に揃えたりすることでカバーできる問題です。
本記事では、ファクタリングの審査に落ちてしまう主な原因を「売掛先」と「利用者側」の2つの視点から徹底的に解剖します。
その上で、次回の審査通過率を劇的に上げるための具体的な7つの対策をプロの視点で解説します。
資金繰りにお悩みの経営者様は、ぜひ最後までお読みいただき、再チャレンジの参考にしてください。
ファクタリングの審査落ちになる「売掛先」の5つの原因
ファクタリング審査において最も重要視されるのは、利用する企業ではなく「売掛先(取引先)」の信用度です。ここでは、売掛先が原因で審査落ちとなる5つのパターンを解説します。
売掛先企業(取引先)の社会的信用度が低い
売掛先の社会的信用度が低い場合、審査に落ちる確率が非常に高くなります。
ファクタリング会社は売掛債権を買い取った後、売掛先からの支払いによって資金を回収します。
そのため、売掛先の経営状況が悪化していたり、信用度が低かったりすると、資金を回収できないリスク(貸倒れリスク)が高いと判断されます。
例えば、売掛先が業績不振で支払いが滞りがちな企業であったり、
一般的に信用度が低く見られがちな個人事業主であったりする場合、ファクタリング会社は買い取りを敬遠します。
また、信用力の低い取引先への債権は審査で断られることがあります。
売掛先との取引履歴が短い・初回取引である
売掛先との取引実績が少ない、あるいは今回が初めての取引である場合も、審査落ちの原因となります。
ファクタリング会社は、売掛先の信用度を測るための一つの尺度として「取引履歴の長さ」を確認します。
過去に何度もトラブルなく支払いが行われている実績があれば回収リスクは低いと判断されますが、実績がない場合はその保証がありません。
初めて取引を行う相手への請求書や、過去に数回しか取引実績がない相手への請求書を持ち込んだ場合、
ファクタリング会社は慎重になり、審査に通らなかったり、手数料が高く設定されたりする可能性が高くなります。
支払いサイト(入金までの期間)が長すぎる
請求書を発行してから実際に入金されるまでの期間(入金サイト)が長すぎる債権は、審査に通りにくくなります。
ファクタリング会社にとって、売掛金を買い取ってから資金を回収するまでの期間が長ければ長いほど、
その間に売掛先が倒産してしまうなどの未回収リスクが高まるためです。
一般的な目安として、売掛金回収までの期間が2ヶ月を超えるような支払いサイトの長い債権は、審査の通過が難しくなるとされています。
建設業などで見られる90日〜120日サイトの債権は、特に厳しく見られます。
売掛金の存在を証明する書類やエビデンスが不十分
売掛金が実在していることを客観的に証明できない場合、審査は即座に見送られます。
悪質なケースとして、存在しない架空の売掛金を偽造してファクタリングを利用しようとする企業が存在します。
ファクタリング会社はこれを防ぐため、売掛金の信憑性について厳しく審査を行います。
売掛金の存在を証明するためには、契約書や請求書のほか、過去の入金履歴が確認できる通帳などの書類を示す必要があります。
これらが提出できない、または内容に不備がある場合は、架空請求を疑われてしまいます。
未納品・未請求の債権(将来債権)である
まだ商品やサービスを提供し終えていない段階の債権(未納品・未請求の債権)は、原則として買い取り対象外となります。
ファクタリングの対象となるのは、すでに業務が完了し、相手方に支払い義務が確定している「確定債権」です。
未納品や未請求の債権などは、今後トラブルが発生して支払いがキャンセルされるリスクがあるため、審査で断られることがあります。
「来月納品予定の案件の注文書」だけを持ってファクタリングを申し込んでも、業務が未完了であるため、優良なファクタリング会社では審査を通過できません。
請求内容が明確で、取引先の信用があることが大前提となります。
ファクタリングの審査落ちになる「利用者側」の4つの原因
審査の主役は売掛先ですが、利用者(貴社)側の要因で審査落ちになるケースも少なくありません。
利用者(自社)の信用度が著しく低い(2社間ファクタリングの場合)
2社間ファクタリングを利用する場合、利用者自身の信用度も審査に大きく影響します。
2社間ファクタリングでは、売掛先から利用企業へ一度代金が支払われ、その後利用企業からファクタリング会社へ送金される仕組みになっています。
そのため、ファクタリング企業への支払いが行われる前に、利用企業が資金を使い込んだり持ち逃げしたりするリスクがあります。
もし利用企業が多重債務に陥っていたり、極端な資金ショートを起こしていたりして、
使い込みのリスクが高い(信用度が低い)と判断されれば、審査には通りません。
提出書類に不備がある、または提出が遅い
求められた必要書類に不備がある、あるいは提出スピードが遅いことも、審査落ちの要因です。
書類に不備や不足があると、ファクタリング会社は正しいリスク評価を行えません。
また、書類の提出が遅いと「管理体制がずさんな企業である」とみなされ、ビジネスパートナーとしての信用度を下げてしまいます。
一般的に、本人確認書類、売掛金を証明できる書類、入金履歴証明の3つは必須となります。
これらに加え、決算書や確定申告書、登記簿謄本などの提出を求められた際にスムーズに出せないと、審査がストップしてしまいます。
面談や電話での担当者の態度・人柄に問題がある
利用者の人柄や態度が悪ければ、どれだけ優良な債権であっても審査に落ちることがあります。
ファクタリングは人と人との契約です。
横柄な態度を取ったり、身だしなみが整っていなかったりすると、
ファクタリング会社は「この経営者は約束を守らないかもしれない」と不信感を抱き、信用度を下げてしまいます。
電話対応で虚偽の説明をしたり、質問に対して感情的に反発したりする態度は、
契約後のトラブルを予感させるため、ファクタリング会社から敬遠される決定的な理由となります。
売掛金の二重譲渡や不良債権売却を疑われている
二重譲渡(すでに他社に売却した債権を再び売ろうとすること)や、回収不能な不良債権の売却は厳禁です。
これらの行為は契約違反にとどまらず、詐欺などの犯罪行為に該当する可能性があります。
当然のことながら不良債権の売却や二重譲渡はNGであり、ファクタリング会社は売掛金の健全性について厳しく審査しています。
少しでもその疑いがあれば、審査は即座に否決されます。
ファクタリング審査の通過率を劇的に上げる7つの対策
審査に落ちた原因を把握した上で、次回の申し込みで審査通過率を高めるための7つの具体的な対策をご紹介します。
1. 信用度の高い大企業や公的機関の売掛債権を選ぶ
審査通過の最大の鍵は、社会的信用度の高い売掛債権を利用することです。
一般的に、資本金が多い、上場している、従業員が多いといった企業規模が大きい売掛先ほど、信用度が高いと判断されます。
特に、国や地方公共団体などの公的機関に対する売掛債権がある場合は、
信用度が極めて高いため、積極的に利用することで審査通過率が跳ね上がります。
2. 入金予定日が近い(支払いサイトが短い)請求書を優先する
ファクタリング会社のリスクを最小限に抑えるため、支払い期日までの期間が短い売掛債権を選びましょう。
手元に複数の請求書がある場合、入金予定日が2ヶ月先の請求書よりも、1ヶ月後や数週間後に迫っている請求書を優先して申し込むことで、
ファクタリング会社は安心して買い取ることができ、審査がスムーズに進みます。
3. 取引実績が証明できる過去の通帳履歴を準備する
売掛金が架空ではないこと、そして継続的な取引があることを証明するために、
過去の入金履歴が確認できる通帳のコピー(またはWeb明細)をしっかりと準備しましょう。
数ヶ月〜半年以上にわたり、同じ取引先から期日通りに一定額の入金があることが通帳上で確認できれば、
ファクタリング会社の懸念は大きく払拭されます。
4. 契約書や発注書など複数のエビデンスを揃える
売掛債権の信憑性を極限まで高めるために、請求書1枚だけでなく、複数のエビデンス(証拠書類)を提出してください。
取引先との基本契約書をはじめ、個別の発注書、納品書、検収完了を知らせるメールの履歴などをセットで提示することで、
売掛金が実際に存在し、かつ支払い義務が確定していることを完璧に証明できます。
5. 審査通過率の高い「3社間ファクタリング」へ切り替える
もし2社間ファクタリングで審査に落ちてしまった場合、仕組みとして審査が厳しくない「3社間ファクタリング」の利用を検討してください。
3社間ファクタリングは、売掛先に知られてしまうというデメリットはあるものの、
売掛先から直接ファクタリング会社へ入金されるため、利用企業の使い込みリスクがありません。
そのため、2社間では通らないケースでも3社間であれば通過する可能性があり、
さらに手数料も安く抑えられる(相場は1〜9%程度)という大きなメリットがあります。
6. ファクタリング会社の担当者へ誠実かつスピーディーに対応する
審査を有利に進めるためには、人と人との信頼関係を築くことが不可欠です。
申込時には丁寧な態度と誠実な対応を心がけ、求められた必要書類はできるだけ早く、不足のないように準備・提出しましょう。
迅速なレスポンスは「しっかりとした管理体制を持つ企業」という好印象を与え、審査担当者の評価を押し上げます。
7. 自社の売上規模に見合った適切な額の債権を利用する
特に2社間ファクタリングの場合、決算書や確定申告書から読み取れる利用企業の事業規模・財政状況と、
買い取りを希望する売掛債権の金額バランスが審査されます。
自社の月間売上が300万円であるにもかかわらず、突発的に発生した1,000万円の請求書を持ち込むと、
「回収した際に他の支払いに流用してしまうのではないか」と使い込みを警戒されます。
自社の規模に見合った、現実的な額の債権から利用を始めることが通過のコツです。
審査落ち後に絶対やってはいけないNG行動と悪徳業者の罠
一度審査に落ちて資金繰りが焦窮すると、冷静な判断力を失いがちです。
しかし、焦って以下のような行動をとることは、会社を倒産の危機に陥れるため絶対に避けてください。
「審査なし」「通過率100%」を謳う悪徳業者への申し込み
審査に落ちた直後、「審査なし」や「審査通過率100%」といった甘い謳い文句で集客している業者に飛びつくのは非常に危険です。
真っ当なファクタリング会社であれば、買い取りリスクを評価するために必ず審査を実施します。
無審査を謳う業者は、ファクタリングサービスに見せかけた闇金業者であったり、
悪徳な業者であったりする可能性が極めて高く、トラブルに巻き込まれる原因となります。
償還請求権(リコース)ありの契約や単なる金銭消費貸借契約
契約内容が不明瞭な業者や、実質的にお金を貸し付けているだけの業者には注意が必要です。
日本の一般的なファクタリングは、売掛先が倒産しても利用者が代わりにお金を支払う義務がない「ノンリコース(償還請求権なし)」契約です。
しかし、悪徳業者は「保証人や担保が必要」「分割での買取や返済が可能」といった、売買ではなく単なる貸付(金銭消費貸借)の条件を突きつけてきます。
契約書には「償還請求権の有無」など重要な条項が含まれますので、内容を理解せずに契約すると、
思わぬ返済義務や法外な手数料(相場よりも著しく高い手数料)を背負わされることになります。
違法な「給与ファクタリング」などへの手出し
個人事業主の方が資金に困った際、給与ファクタリングなどの違法なサービスを利用してはいけません。
給与ファクタリングは、金融庁や裁判所によって「貸金業」に該当すると判断されており、無登録で行う業者は違法です。
悪徳業者は給与ファクタリングを勧めてくることがありますが、これらに手を出すと法外な利息を請求され、生活や事業が完全に破綻してしまいます。
まとめ:審査落ちの原因を分析し、最適なファクタリング会社を選ぼう
ファクタリングの審査に落ちたとしても、悲観する必要はありません。
落ちた原因が「売掛先の信用度」にあるのか、「提出書類の不備」や「支払いサイトの長さ」にあるのかを冷静に分析しましょう。
【ポイントのおさらい】
- 融資に比べてファクタリングの審査は通りやすいが、売掛先の信用度が最も重要である。
- 信用度が高く、支払い期日までの期間が短い売掛債権を選ぶことで審査通過率は高まる。
- 提出書類は迅速に揃え、担当者には誠実な態度で接することが信頼獲得に繋がる。
- 2社間で通らない場合は、審査が緩く手数料も安い3社間ファクタリング(1〜9%)を検討する。
- 契約を急かしたり、法外な手数料を要求したりする悪徳業者には絶対に手を出さない。
株式会社レバンタへのご相談
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